Uniphore ユニフォア - 人間の声が力になる - The power of voice

発言は個人の見解であって、所属組織を代表するものではありません。

はじめに

Uniphoreという会社をご存じでしょうか?

 

Umesh Sachdev (ウメッシュ・サチデブ)とRavi Saraogi(ラビ・サラオジ)が、2008年に、インドのチェンナイの近くあるインド工科大学マドラス校のインキュベーションプログラムで起業しました。
会話を軸としてAIを活用した製品を売っています。

 

具体的には、Speech Analytics(会話分析)、conversational assistant(会話アシスト、エージェントアシストと言ったほうが馴染みがあるかもしれません)。
conversational security(会話セキュリティ)といったソフトウェアを販売しています。

 

二人の創業者は、インドでの識字率が低い(2006年時点で62.8%。link参照)事によって、十分に世の中のサービス(銀行でのお金の送金や、保険サービスなど)を受ける事が出来ない。
そういった社会の問題を解決したいと思い、「音声」に着目する所から始まります。

2008年時点で、コンピューターによる音声認識は、認知され社会でも活用されていたのですが、英語と先進国の言語がほとんどでした。
インドの公用語は、英語とヒンディー語です。しかも、インドでは日常会話として、英語とヒンディー語を混ぜて話をします。
そして、ヒンディー語も各地方によって全く違う言語といっても良いぐらい違う言語となっています。
もちろん、一般的な音声認識ソフトウェアでは、ヒンディー語の認識は出来ません。

この問題を解決したのが、Uniphoreです。独自の音声認識エンジンを開発し、見事、インドでの会話の認識エンジンを作り上げる事に成功しました。

 

興味深い例としては、インドの農民向けのサービスに、今年の天気予報の情報から「いつ種を植えるべきか?」「肥料をいつあげるべきか?」「いつぐらいに収穫するべきか?」などの情報を提供するコールセンターがあります。このような単純な問い合わせにも関わらず、コールの量が多い為、エージェントへ接続する為に長時間待たなければなりませんでした。

Uniphoreの音声自動応答システムで回答を行う事により、エージェントの負担を大幅に成功する事に成功しました。
農村部では、都市部より、識字率が低い為、文字情報ではなく音声によるサービスを行うコールセンターが必要でした。十分にサービスを提供できていなかった問題を見事に解決しています。

telecom.economictimes.indiatimes.com


これ以来、Uniphoreの会社として、人間の「声の力」というものを重視する理念が確立されました。

 

この理念は、北米への事業進出でも生きています。
アメリカでは、シスコシステムズの元CEOジョン・チェンバース(John T. Chambers)より出資を受ける事に成功し、北米でSpeech Analytics製品の販売拡大が行われています。
UniphoreのSpeech Analytics製品は、「声の力」をいかに活用するか?という思想の元、機能追加やサービスが行われています。

 

現在、日本でもアメリカ市場での成功を参考に展開中です。